起業してCTOになる

考えていたことやきっかけについて

Posted on Monday, February 28, 2022

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起業することにした

かなり唐突だが、起業をすることにした。 どんなことをやるかというと、地域特化型のニュースアプリといったようなものを作る。 まだほやほやの起業したてで、LPすらまだ無いので特に何か紹介ができるわけでもないので、会社についての紹介はまた追って別のエントリーでやりたいなと思う。 以下では今回の起業に際して自分がどんなことを考えていたか、背景や今後の展望について備忘録としてまとめていく。

背景

これまでの自分の働き方はどうだったかというと、一応heyで正社員をしていたのだが、それとは別で副業で業務委託として仕事を受けたりしていた。 業務委託の内容としては技術顧問としてコンサルティングやアーキテクチャリング、または技術サポートとしてスタートアップで開発のお手伝いだったりデータ基盤の整備など、技術畑の人間としてかなり雑多なことをしていた。

なので今までも半分正社員で半分フリーランスというような感じで、正直なところ経済的にはそれなりに余裕はあったし稼働時間や忙しさといったところもそこまで大変という感覚はなかった。 実際、収入としては毎月100万円を下回ることは無かったし、今は家賃24万円の家に住みながら貯金も毎月40万円程度できている。 24, 25歳にしてはだいぶちゃんとしてる方だという自覚はある。

ではそのような状況下でどうして今回の起業したかというと、経済的にも忙しさ的にも大変さは無くてもやはり仕事に対して情熱を感じたかったというのが大きい。 逆に、今のままでも別に収入などは安定していて生きていくことは全然問題なかったのだろうけど、5年もすれば自分の心は確実に死んでいただろう。

かなり鬱屈していた日々を過ごしていたのだが、そんなタイミングに元同僚から声をかけてもらい、これは自分にとって最大のチャンスなんだろうと感じて起業に踏み切った。 元々自分は起業したい欲というのがあり、ただそれをいつ実行に移すのか、タイミングについてはずっと伺っていた。 ただ、考えていた流れとしてはheyというスタートアップから次はFAANGやMSといった外資系に行き、そこで多少働いてから起業するというのがいい感じにネームバリューをつけつつ起業に持っていく流れかなと想像していた。

このような具合でいつ起業するのかというのは考えていたが、一方で誰と起業するかというのも結構重要な気がしていた。 タイミングは上記のようにするとしても誰と起業するかというのは見えていなかった。 今回声をかけてくれて一緒に起業する人は自分の元同僚で、エンジニアリングがわかるデータアナリストなのだが、一緒のチームで働いていたので極めて優秀だというのはわかっており、この人とならやっていけるという確信があったので誘いに乗ることにした。

今回起業したのは全く自分にとって予期していたことではなく、偶然タイミングが来たからというのが本音だろう。

自社プロダクトのコードから学ぶことはない

最近はプログラミングスクールが跋扈して駆け出しエンジニアが量産されているのだが、そのようなビギナーはどうやら自社プロダクトを持っている会社で働きたいという考えを持っているらしい。 曰く、やはりSESという人売りビジネスで鉄砲玉として扱われるくらいなら自身が主体性を持って取り組める何かが欲しいというようなことらしい。

そんなわけで自社プロダクトが開発できるポジションは人気なわけだが、個人的にはこれには全く賛成できない。 というのも(主語が大きくなって恐縮だが)自社プロダクトのコードは品質が低いのが普通だから。 ここでいうコードの品質とは、いわゆるリーダブルコードに書いてあるような変数命名だったりディレクトリ構成デザイン、データベース設計、CI/CDなどモダンな開発環境など。 実際、飛ぶ鳥を落とす勢いのベンチャーと言われているところでさえも、もう時代は令和だというのにプロダクション環境に一切Dockerを使わず生のEC2にデプロイしてアクセスがスパイクするときは手で頑張ってインスタンスを増やして水平スケールさせる、みたいなことをしていたりする。 せっかくAWSを使っているのだからECSなりフルマネージドのサービスを使った方が運用負荷も低減できるのではないかと聞いてみたらこっちの方が慣れているし簡単という回答が返ってくる。 つまりそういうレベルなのだ。

一方で、自分はたまにOSSにコミットしていたりするのだけど、イケてるOSSのメンテナーは本当にレベルが高くて、自分がこれで良いだろうと思ったコードがレビューして修正してもらうと更に良いものになったりする。 スケーラブルで良い設計と良い実装が行われる場所、それがOSSなんじゃないかと思う。 自分が過去にAlacrittyのIME周りのPRを出した際は、ライブラリとしての機能のジェネリック性をどう担保するかについてかなり深い議論がなされた。 ソフトウェアエンジニアリングやコンピュータサイエンスの実務的応用がここにあるのだと強く感じた。

そういったところをここのところ反復横跳びしていて、一旦もう正社員はいいかなという風に感じ、技術的に面白い部分はOSSで十分だろうと自分の中で線引きがつくようになった。 ということでOSS以外ではもっと自分を有効活用してくれるところに身を置くのが良いと判断し、そこで正社員エンジニアはもう辞めてフリーランスとして技術マネジメントやアーキテクチャリングに全振りすることにした。 そちらの方が報酬は高いので、正社員エンジニアとして働くことにあまり意義を感じなくなったというのが正確かもしれない。

今後はどうするか

一旦は共同創業者としてプロダクト開発にリソースを割きつつ、もともと個人で受けていた技術顧問業や会社経由で得たコンサルティング業務にあたろうと考えている。

ただ、スタートアップを創業するといっても1年後には撤退している可能性も普通にあるので、その際はまた気分次第だが何かしら動いているだろう。 先日結婚したが、恐らく1,2年後に子供を持つ想定なので、育休を取るためにどこかの正社員になっている可能性もある。 1年後が自分が何をしているかは全然想像がつかないのだけれども。

それにしても、新卒でソフトバンクに入ったときはこのままぼーっとしてれば普通にある程度の給料が貰えて安定だなーなんて思っていたけれど、本当に2年前の自分からは想像できないところにきた気がする。 予想不可能な人生だけれども、これからもやれることはやっていきたい。