システム屋の資金繰り

売掛金の回収とランニングコスト

Posted on Monday, February 27, 2023

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会社として走り出した

2023年は頑張るぞと意気込みをまとめたエントリーを書いたのが1ヶ月前。

現状どうなっているかというと資金ショートギリギリのラインを歩いている。

状況を箇条書きにまとめると

  • 会社の口座残高は2023年2月末着地で130万円程度
  • 来月は20万円程度赤字が発生する
  • 自分の給料は当然未払い

という体たらく。

もう本当に死ぬかどうかみたいなラインを生きていて、なんなら来月の振り込みタイミングとかを勘案すると本当に一瞬残高が足りなくなる可能性がある。 何回か計算したところ一応生き残れそうではあるが、イレギュラーな出費が重なると本当に終わる。

なんでこんなことになっているかというと、端的に言えばシステム発注から報酬振り込みまでが長いというのが全て。

ただ今の状況が最悪というわけではなくて、2023年からちゃんと会社の看板で仕事を受けられるようになっていて、去年までの自分一人で完結していた状況からチームでアウトプットを出すという形になってきているので、そこはある程度成長している。

ただこの変化のフェーズにおいて扱う金額というのが一気に変わってしまい、そこに対応しきれず死にかけている。

ソフトウェア開発プロジェクトのお金の動き

通常、システム開発というと数ヶ月単位のスパンでプロジェクトは進んでいく。 発注にかかる金額は開発するシステムやアプリケーションの規模次第ではあるが、多くの場合300万円〜1000万円といったところだろうか。

この規模感のプロジェクトをうちの場合は3, 4人程度のメンバーで回しているので、一見すると一人あたりすごく儲かってハッピーのような感じに思える。

ただここは罠があって、もらえる金額というのはシステムを無事に納品しきってもらえる金額なので、納品までのエンジニアの給料などは手持ちのキャッシュから捻出しないといけない。 プロジェクト期間中は給料などで赤字を掘りつつ、プロジェクト終了後に掘った赤字以上に回収して会社は儲かるという流れになっている。

うちの会社はあまりに若くて借り入れ等も行なっていないので自己資金が非常に小さく、こういう感じの会社がこの手の開発プロジェクトを受けるとプロジェクト期間中にキャッシュが尽きかける。 一応対策として着手金としてプロジェクト開始時に100万円、プロジェクト終了後に残額を支払いという形式を取ることもできる。 しかし、自分が今回見通しが甘かったのもあり今回このような状況に陥ってしまい、非常に反省している。

今の会社のチームは元々友人関係で手伝ってくれているというような状況で全員業務委託契約なので、先日報酬の支払いが遅れる可能性があると伝えたところまあ次からは頑張っていこうとポジティブな捉え方をしてくれているので本当に人に恵まれたと感じている。 しかし金の切れ目は縁の切れ目なので、メンバーにちゃんと報酬を払うのを最優先事項として、自分の給料は未払いにしてでもここは死守していこうという覚悟。

プロジェクト完了に向けて

こんな具合でプロジェクト期間中は資金ショートしかける。 自分の場合今までこれをどうやりくりしていたかというと、自分自身が業務委託で働いて報酬を会社に入れていた。 だいたい毎月100万円くらい。

なのだが、先日その業務委託先から事情により契約更新できないと言われてしまい、コンスタントに会社に入ってくるお金がなくなってしまった。 すぐに別の仕事をいただけたのでなんとか食いつなげそうだが、諸々の関係で報酬が50万円程度に落ちる見込み。

現在のプロジェクトが完了して支払いが走るのが4, 5月頃で、今年の夏あたりには会社の状況はかなり好転していると思われるが、本当にここ数ヶ月が正念場となる。

この地獄の谷を越えた先に安寧が待っている思うので、しばらく耐えていきたい。

最悪の場合、役員借入をする。

法人は死にそうだが個人は元気

役員借入は本当に最後の手段だが、実際のところここまでは法人の口座残高がやばいという話で個人資産というのは割とある。 大金持ちというわけではないけど、世間的な26歳平均に対して結構持っている方だと思う。

なので生活が終わってしまうわけではなく、結構耐えている。

ただやはり法人も実質的に自分が管理しているので、こっちがカツカツだと本当に自分まで惨めな気持ちになる。 やはり改めてお金の余裕は心の余裕だと感じた。 早く4, 5月になってほしい。

終わりに

会社の方は現在結構シビアな状況だが、きっと創業当初なんてそんなもんなんだろう。

幸いなことに自分たちはソフトウェア開発というマーケット的にレアなスキルを持っているので受託という食い繋ぎ方ができるが、もしこういうわかりやすいハードスキルが無い起業家は資金調達するしか無いのだろう。 受託が今の自分たちができるビジネスでありミニマルエコノミーなので、ここは淡々と積み重ねていきたい。

しかし本当に縁には恵まれたもので、今のところ様々な会社からお仕事や相談をいただけているので、これらが結実すれば2023年の終わりにはかなり会社の状況は安定していると思われる。

きっとこういうハードな状況は今後何回かくるのかもしれない。 過去にソフトバンクを辞めるとき、このまま想像できる未来を歩んで「自分の人生の仕上がりはこんなもんか」と思えてしまうことが一番の恐怖 と考えていたが、この手のヒヤヒヤするような状況こそ自分が欲しかった予測できない将来というヤツなので、しっかり楽しんでいきたい。