顧客数と社内リソースのスケーリング

Tier3, Tier4サイズであるSMBの顧客を作ること

Posted on Friday, March 17, 2023

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ケイスクワッドの動きが多少変わってきた

3月になり、花粉症がひどくなってきた。 ずっと市販薬でなんとかしていたが、先日とうとう意を決して耳鼻科に行って花粉症の薬を処方してもらったところ、劇的に改善した。 今はもうマスクせずとも平気で外を歩ける。 本当に調子が良いので花粉症に困っている人は全員耳鼻科行った方がいい。

さて、花粉症の到来とともに春の訪れを感じるわけだけど、ケイスクワッドでも新しく案件が動き始め、これまでとはまた異なった動き方が出てきた。

新しい仕事

内容としては京都に京都に週2, 3日滞在してオフィスに常駐する仕事が始まったこと、新しい環境で業務委託エンジニアとして働き始めたことの2つ。

京都での仕事

元々技術顧問として開発周りだったり諸々を手伝わせていただいたお客さんから提案があり、3月から15人日/月オフィスに滞在して対面で仕事し始めた。 それまでは基本的にリモートで技術支援という形で携わっていたのだが、そこのチームの状況もあってリモートでは限界を感じていたところだったので、真にお客さんに貢献できるのであれば良い試みだと感じている。

最近では障害対応のサポートに入って原因調査にかなり寄与したし、組織マネジメント手法としてグレード制度の提案など、様々なことを行えている。 主に任されている仕事が

  • 社内でも特殊な位置付けのプロジェクトの推進
  • 現在のチームのサポーターとして各種アドバイザリー業務
  • 新規事業提案
  • etc

という具合で、雑多だが大きな仕事を任せてもらえているのは本当に感謝。

始まってから2, 3週間くらいだが、明らかにリモート時代よりも様々な意思決定に携わることができておりケイスクワッドとしても成果を出せていると感じているので、引き続き続けていきたい。

ところで京都での仕事が始まってからでふと気づいたことなのだけど、リモートという働き方は相手にロジックを通すことはできてもエモ(=感情)は動かせないということ。 世の中は思ってたよりエモで動いている。 これは人間という生き物というか社会においてそういう感覚が一般的で、改めてソフトウェアエンジニアという生き物がいかに特殊であるかというのを京都で仕事を始めてからヒシヒシと感じている。

新しい会社で業務委託

これに加え、最近は新しい会社で業務委託エンジニアをやっている。

先日のエントリーの通り、ケイスクワッドはまだまだ創業から1年も経っておらず借入等も行なっていないので資金があまり無く、何かしら受託開発するにも自分が資金を稼いでこないとメンバーに渡す報酬が尽きて即資金ショートという状況である。 経営者としてこの状況があまり良くないことは理解しているが、一応今年はかなりの利益を積み上げられそうなので、コツコツ利益を上げていこうと考えている。

さて、そんなことを先月くらいまで考えていたのだがこれまでの業務委託先から契約解除を言い渡されてしまったので、3月から新しい会社で業務委託エンジニアをやっている。 自分としてあまり強みと言えない技術スタックなのだが、爆速でキャッチアップして早速Issueをつぶしに行っているので4月からはかなり安定して良いパフォーマンスが出せるのではないかと感じている。

かれこれエンジニアとしてある程度経験を積んできたのでだいたい新技術への取り組み方というのが自分の中で定式化できていて、なので今まであまり触れてこなかった技術だが今回割とすんなりインプットできているのは自分の成長だと思う。 ただ自分のパフォーマンスがチームにとって望ましいレベルかというのはよくよく意識しておかないといけないと感じていて、今後も緊張感を持ってやっていきたい。 ちなみにチームメンバーはかなり優秀な方なので、もっと頑張らなければと結構焦っている。

友人からの経営アドバイス

新しい会社で業務委託を始める前後で野村證券に勤めている友人に仕事をもらえそうな人を紹介して欲しいと相談したところ、彼の顧客(=主に経営者)にITに強い人間の需要があるということを教えてもらった。 その話をする中で、ケイスクワッドは今後どのような取り組みをすべきかというのを相談してみた。

今のケイスクワッドの課題としてあるのが、現状の顧客がTier1, Tier2クラスの大きい会社ばかりで中小企業のクライアントというのがほとんどいないこと。 一応現状でも資金繰りはある程度できているし利益も上がるのだが、この体制のまずいところは既存顧客から契約を切られると会社として急に窮地に陥ってしまうところ。 安定性が非常に低いのである。

よく経営者向けのアドバイスとして言われるのが「収入源を1箇所に絞るのは危険、最低でも5箇所は確保しろ」というもので、現状ケイスクワッドの売上のほとんどを1つのクライアントに依存していて非常に良くない。 こうした状況を打開すべくSMB(=年商が数億円程度のクラス)にアプローチしたいのだが、アプローチ手段がわからない。

このことについて友人にアドバイスを求めたところ、結論から言うとWeb広告の出稿代行をやれば?とのこと。 今のケイスクワッドの見た目(技術顧問事業やデータ基盤構築などができるというアピール戦略)は少々とっつきづらく、Web技術などに理解が深くない人間にとっては要件定義とか言われてもフワッとよくわからんという具合なので、ぶっちゃけLPを見たところで相談しようとは思いづらいとのこと。 Web技術に全く強くない証券マンの彼がそう言うということはそうなのだろう。

受託開発は一発の費用が数百万にもなるものなので気軽に相談できるものでもなく、もっと顧客が気軽に相談できるような糸口を作るべきだという指摘を受けた。 これが彼の提案するWeb広告で、少額から顧客との関わりを作れるような形を作り、そこで業務内容を聞いてITコンサル等へアップセルさせるというのが良いのではないかと提案してくれた。

目から鱗だった。 散々周りに顧客志向で物事を考えろなんて言ってたのだが、自分が全く顧客の視点に立てていなかったことに気がついた。 自分は今まで関わっていたクライアントは、たしかにプログラミングこそできずともWeb技術にある程度の理解がある人だったのだ。 世の中にはWebサイトとネイティブアプリの区別がつかない人がかなりの数いるというのを認識から抜けていた。

そこでWeb広告をケイスクワッドの事業の一つとして据えてみたところ、彼の紹介で早速仕事を1ついただけそう。 今回の案件が少々特殊なコミュニティなのだけど、ここを紹介で積み上げるだけで恐らく数年後には数億円とかになるかもしれないので、ケイスクワッドとして今後このような攻め方はありかもしれない。

ビジネスマッチングサービスを使いかけた

先述の通りSMBへのアプローチをどうするかというので、一旦ビジネスマッチングプラットフォームというやつを使ってみることにしてみた。

1, 2回その手のサービスをやっている会社の営業から話を聞いてみたが、料金的に微妙だったりそこで得られる案件がどのくらいちゃんとしているかというのが確証が持てず、現状特に何か特定のサービスを使うには至っていない。

自分の場合、野村證券の知り合いなど周りに仕事を回してくれそうな友人がまだまだいるので一旦は使わなくても良いのかも。 ただ来年以降で更に規模の拡大を見据えたときにもう一度検討しても良いかもしれない。

今後の自分自身の身の振り方

3月から本格的に仕事が始まってケイスクワッドとして大きな仕事をできるようになった。 今まで会社の収入は自分が業務委託として稼いできた分だけだったので、今回法人として仕事を契約してまともに収入が得るのは実は今回が初めてなんじゃないかと思う(結局自分が稼働してるけども)。

まだまだ起業してから半年。 反省点ばかりだがどんどんできることが広がってきた気がする。

ただ、ここでそろそろ自分も身の振り方というか自分の時間の使い方を考えた方が良いような気がしてきた。 具体的に、自分が業務委託エンジニアで稼いでくるという形をどこまで続けるかということ。

お世話になっている先輩経営者(エンジニア出身)と食事に行った際、「自分がコード書いたらマジでスケールしないからコードは書けても書いちゃダメ」と言われた記憶がある。 アレはどういう文脈だったか覚えていないが、今のケイスクワッドはまさにそういうところがある気がしている。

当面の資金確保のために今の業務委託先はしばらくは続けようと考えているが、どうするかは悩み中。 「収入を5箇所以上に分散させる」というやつが実現したときにまた考えようと思う。

考えることが本当に多いし悩むこともあるが、選択肢はたくさんあるので実行あるのみ。